一般的に不動産の鑑定評価を行えるのは、不動産鑑定士です。
個別・地域の分析に応じて鑑定評価手法を適用し、専門的な判断を加えて不動産の鑑定評価額を決定します。
不動産鑑定に関する用語も数多くあり、不動産の相談前にいくつか覚えておくと役立ちます。
鑑定評価では、土地や建物など目に見える物、所有者や借地権など目に見えない権利、依頼に応じて加えられる条件を確認します。これらは対象不動産の確定、対象確定条件、付加条件と呼びます。
このうち付加条件は、大きく3つに分けることができます。
土地と建物がセットになった状態で所有していることを現状所与といいます。この状態のままで土地あるいは建物などの構成部分を鑑定評価の対象とすることを、部分鑑定評価といいます。借地権などの鑑定評価に用いられます。
土地と建物がセットになった状態で、土地あるいは建物などの構成部分を独立して鑑定評価の対象としたものです。建物を更地にした場合などに用いられることが多いです。
土地や建物を併合や分割したときに鑑定評価の対象とすることを、併合鑑定評価もしくは分割鑑定評価といいます。遺産相続や事業承継などの鑑定評価に用いられます。
一般的に人が物や財の価値を判定する場合、主に3つの方式で判定します。
どれくらいの「費用」が投入されたのかを基準に判定することを、原価方式といいます。
賃料では積算法、価格では原価法が用いられます。
どのくらいの「値段」で市場取引されているかを基準に判定する方式を、比較方式といいます。
賃料では賃貸事例比較法、価格では取引事例比較法が用いられます。
利用することによって、どれくらいの「収入」を得られるかを基準に判定する方式です。
賃料では収益分析法、価格では収益還元法が用いられます。
鑑定評価による価格として正常・限定・特定・特殊などが挙げられます。
「正常価格」とは合理的な自由市場であれば成立すると思われる適正価格を指し、通常の鑑定評価では正常価格が求められます。
市場が相対的に限定される価格を指す「限定価格」は、隣地の取得など特別な動機で求められます。
「特定価格」は主に投資採算を求める価格で、不動産の証券化などが挙げられます。
また「特殊価格」は、不動産の経済価値を適正に表示する価格を指し、文化財や宗教建築物などが挙げられます。
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